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在宅看取りの具体的な例-大腸がん 60代男性-

1年半ほど前に健康診断で再検査を指摘され、大学病院を受診。

発見時には腸閉塞を起こす寸前のため、そのまま入院し人工肛門を造設。

抗がん剤治療の効果なく、※BSC(ベストサポーティブケア)となる。

自宅での最期を希望されたため、退院し月1回の通院と、訪問看護の導入、自宅でのフォローのために

在宅診療を受けることになりました。

 

はじめの3か月は比較的体調も良く、毎月の病院受診、月2回の往診、週1回の訪問看護を受けていました。

その間はご家族と小旅行したり、近所の散歩をしたり、旧友とも会食されていました。

 

4か月に入るころから、体調の変化を感じ痛みも出てきたこと、食欲の低下と体力の低下が目立つようになりました。

月1回の病院受診も困難となり主治医とも相談の上、訪問診療を週1回月4回に増やしました。

ご本人の希望は、痛みや苦しみについては麻薬などを使用しできるだけ楽に過ごしたい、点滴はしたくない。

できるだけ自然にしたいとのことでしたので、麻薬の使用が開始されました。

居室も、家族が集まるリビングにベッドを移し一人にならないように工夫されていました。

 

5か月目に入ってすぐに、家族に看取られて患者さんは亡くなりました。

患者さん・ご家族ともに普段から話をよくされており、ご家族からも悔いはないという言葉がありました。

在宅看取り①
介護と看取り